家や土地を売る経験はそうそうあるものではないので、知らないことが沢山あります。
そこで全体像を掴みやすいよう、この記事では基本的な不動産売却の流れをまとめました。
【不動産売却の流れ】
不動産売却の流れ1:相場確認などの事前準備
1)家や土地の売却相場を調べる
まずは相場勘を養うため、近隣の土地や家の価格を調べましょう。
相場を下調べしておくことで、いざ不動産屋に査定を依頼した際に、その査定額が妥当なのか分かりやすくなります。
いま売りに出されている中古物件情報サイトを参考にするのもいいですし、実際の不動産売買価格データをまとめた国土交通省の「土地総合情報システム」の活用もおすすめです。
インターネットを使えば5分くらいでサクっと下調べは終わります。
家を安売りしないためにも確認しておきましょう。
2)不動産屋に伝える希望条件をまとめる
家や土地の売却は不動産屋に仲介を依頼するわけですが、あなたの希望をハッキリさせておかないと、後々になって「こんなはずじゃなかったのに…」という事態に陥らないとも限りません。
あからじめ希望条件をまとめておくことで、その希望に合わせて不動産屋に販売活動をしてもらえます。
また売買交渉がいざ始まった際にも、自分の希望と大きく離れていないか立ち返るのに便利です。
最重要事項は「いくらで売るか」「いつまでに売るか」の2点です。
いくらで売るか
いざ物件を売りに出してみた結果、反応によっては必要に応じて販売価格を値下げする必要もでてきます。
でも不動産屋や買い手に言われるがままズルズルと値下げしてしまっては意味がありません。
「値下げに応じるのは査定額から〇〇万円引きまで」と自分なりの基準を設定しておきましょう。
いつまでに売るか
売却希望時期には色々なケースが考えられます。
転勤による売却の場合は、タイムリミットが迫っています。
離婚による資産整理なら、今すぐ売りたいと考えられているはず。
住み替え・買い替えを希望している場合は、今の家の売却の目途が立たないと新しい家の購入活動が本格化できないケースが多いです。
いずれにしても売却のタイムリミットによっては、仲介による売却ではなく、買取という方法を選択した方が良い場合もあります。
あるいは「〇ヶ月以上買い手が見つからなければ売り出し価格を下げる」のような戦略を立てるケースも。
こうした見極めをプロの不動産屋にしてもらうためにも、伝えるべき希望はしっかりと考えておきましょう。
不動産売却の流れ2:不動産屋に家や土地を査定してもらう
相場の確認など事前準備が終わったら、次は「家がいくらで売れるのか」不動産屋に査定してもらいます。
一口に不動産屋といっても「立地」「種別」「用途」など物件条件によって得意ジャンルと苦手ジャンルがあり、査定の基準もマチマチです。
そのため必ず複数の不動産屋に査定してもらいましょう。
我が家は不動産一括査定サイト「HOME4U(ホームフォーユー)」を利用しました。
HOME4Uは
- 日本最高クラスのセキュリティシステムを構築してきたNTTデータグループの運営なので、安心して利用できる
- 国内初の不動産一括査定サービスで、運用歴が長い
- 50万件を超える膨大な売却査定データを活用して、その不動産タイプの売却が得意な不動産屋を選出
- 築年数が古い家であっても、リフォームや外壁塗装など加点できる部分を見つけ出し、限界まで高値で売れるサポートをしてくれる
ので安心して利用できました。
そして我が家の場合は「不動産屋によって査定額が480万円も違う!」という結果が出ました。
不動産売却の流れ3:不動産屋の決定
次に、仲介を依頼する不動産屋を絞っていきます。
上述のホームフォーユーのような不動産一括査定サイトを使えば、「査定額」と「不動産屋」の両方を効率的に比較できます。
不動産屋を選ぶ際ですが、査定額「だけ」で決めるのは危険です。
- 査定額
- 売買実績
- 誠実さ
など様々な観点から選んでいきましょう。
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不動産売却の流れ4:家の売り出し開始
いよいよ売り出し開始です。
不動産屋とよく相談し、希望売却金額と相場をすり合わせた上で価格を決定します。
中古物件情報サイト掲載時の2つの注意点
販売方法は不動産屋によって異なりますが、中古物件情報サイトに家の情報・写真・動画などを掲載する場合が多いです。
広告媒体への掲載完了の連絡が不動産屋からきたら、必ず目視で確認しましょう。
我が家もそうだったのですが、掲載されている情報に不備がある場合もあります。
また中古物件ゆえ、写真の魅せ方も重要です。
基本的には不動産屋が査定時に撮影した写真が使われがちですが、少しでも見栄えがするよう、場合によってはあなた自身で撮影した写真を使ってもらうよう担当者に伝えるのもいいです。
【売れる家にするための写真撮影のポイント】
- 晴天の日に撮る
- 柔らかい光である午前中に撮る
- 外観の写真は建物の下から上に向かって撮った方が迫力が出る
- 室内の写真は生活感が出ないよう、片づけてから撮影する
- 広角レンズを持っているなら、広角レンズで明るく広く感じられるように撮る
- 眺望がいい場合には、その写真も掲載してもらう
内見・内覧
売り出しが始まると、内見・内覧も始まります。
内見は買い手にアピールする絶好のチャンスです。
よほど好条件の物件でない限りそう頻繁にはないので、1回1回に全力を尽くしていきましょう。
なお物件の魅力を伝えるだけではなく、不具合がある場合には事前に伝えておきます。
初めに説明をされていれば気にならない不具合でも、後から分かれば不信感に繋がるからです。
関連記事 買主の心をつかめ!内見・内覧される際の3つの準備ポイント
不動産売却の流れ5:不動産売買契約の締結
不動産購入申込書などで条件交渉を行い合意が得られれば、付帯設備表と物件状況報告書を提出し、不動産売買契約を締結します。
ここまでくればもうひと踏ん張りです。
いったん契約を締結すると、簡単に解除することは出来ません。
契約内容に間違いがないか最終確認をした上で、慎重に手続きをしてください。
【必要書類】
- 登記済権利書または登記識別情報
- 実印
- 印鑑証明書(3カ月以内のもの)
- 固定資産税・都市計画税納付書
- 本人確認書類(運転免許証など)
【諸経費】
- 印紙代
- 仲介手数料の一部
不動産売却の流れ6:家や土地の引渡し
無事に契約が終われば、物件の引き渡しへと進みます。
契約後〜引き渡し当日までに、売主は抵当権や所有権など権利義務関係が買主に影響しないよう処理をしなければなりません。
もちろん具体的な手続きは不動産屋が全てサポートしてくれますので、安心してください。
- 売却代金の受け取り(手付金の分を差し引いた額)
- 住宅ローンが残っている場合には、その返済と抵当権の抹消
- 所有権の移転
権利義務関係の他にも、家の引き渡し当日には、次のようなものを買主に渡したり伝えたりできるよう事前準備が必要です。
- 鍵
- 置いていくエアコンや給湯器など各種設備のマニュアル
- ゴミ置き場の場所
- ゴミ出しのルールや清掃当番について
- 住宅履歴情報のID(住宅履歴情報の登録者のみ)
また引き渡し日までに売主は引越し(退去)も完了しなければなりません。
売主自身の手続きで忘れがちなのが下記です。
- ガス・水道・電気などの公共料金の精算
- 住民票の異動
- 郵便の転送届け
- 駐輪場や駐車場の解約
- 管理組合への連絡と組合員の資格喪失の届け出(マンションの場合/管理費や修繕費の積立金引き落としを止めるため)
- 金融機関に連絡(住宅ローンが残っている場合/引き渡し日の1カ月前までに連絡すると手続きがスムーズ)
さらに家計に関わってくるのが売却後の税金です。
節税できる特例がないかの確認も行いましょう。
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以上、不動産売却の流れ6ステップをお伝えしました。