この記事では、古い家を売るために住宅履歴「いえかるて」を活用する方法をお伝えします。
古いけれど、外壁塗装やリフォームなどメンテナンスをしてきた家を売りたい方に特におすすめです。
住宅履歴「いえかるて」とは
住宅履歴「いえかるて」とは、
- 新築時の設計図
- 地盤調査報告書
- リフォームの記録
など住宅に関する様々な情報を保存しておく仕組みのことです。
「いつ、誰が、どのように設計・施工したか」
「どんな建築材料を使っているか」
「どんな修繕・改修・リフォームを行ったか」
などの情報をきちんと残しておけば、次の購入者も家の素性を知ることができます。
中古車を購入する際に整備点検記録を参考にするのと同様に、中古住宅を購入する時に住宅履歴があれば、買主は参考情報として購入の検討に役立てることができます。
なぜ住宅履歴「いえかるて」が中古住宅を売りやすくするの?
中古住宅を高く早く売りやすくする方法があります。
それは
- 「ホームインスペクション」を行い
- 「既存住宅売買瑕疵保険」に加入できるようにし
- 「住宅履歴」を整備すること
中古住宅の購入を検討している買主にとっての不安要素といえば
「建物や設備の状況がわからない」
「耐震性がわからない」
「保証が短い(もしくは無い)」
ということです。
しかし逆を言えば、こうした不安要素が解消された物件ならば、買主は相場より多少高い金額であったとしても、気に入れば購入してくれます。
上記3つの方法を行うことで
- 物件に付加価値がつく
- 家の詳細な状況が分かる
- 家の安全性が証明される
ため買主も購入しやすくなり、場合によっては相場よりも高く売却できます。
上記3つの方法は「一戸建て」「マンション」どちらの場合でも利用できます。
もちろん「住宅履歴だけ」「ホームインスペクションだけ」と予算や物件条件に応じて選択するのも1つの方法です。
認定長期優良住宅は住宅履歴の保存が義務
住宅履歴情報の整備は中古住宅の流通を促進する施策の一つとして国土交通省が進めているもので、すでに「長期優良住宅」の認定を受けた住宅は、住宅履歴の保存が義務づけられています。
また国土交通省では不動産取引に必要な情報を集約して消費者に提供する「不動産総合データベース」の構築を目指し、2015年6月から横浜市で試行運用を行っています。
この施策の一環として、住宅履歴情報のストックシステムの試行運用も行われています。
不動産総合データーベースは2018年に全国での運用開始を目指しており、将来的には住宅履歴情報も使われることになりそうです。
住宅履歴の整備方法と費用
新たに住宅履歴を整備する場合、まず住宅に関するあらゆる書類や情報を集めていきます。
新築段階なら
【一戸建て】
建築確認書類、住宅性能評価書、各種図面など
【マンション】
建築確認書類、各種図面、マンション管理組合の規約、長期修繕計画など
維持管理段階なら
維持管理計画書、点検・診断の際の書類、改修やリフォームを行った際の書類・図面・写真など
こうして集めた情報を不動産屋や設計事務所などの住宅履歴情報サービス機関に渡し、電子データとして蓄積してもらいます。
住宅履歴情報サービス機関は、一般社団法人 住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会サイト(http://www.iekarute.or.jp/)で検索できます。
住宅履歴情報蓄積・活用推進協議会では、ホームインスペクションに関するセミナーや地域限定のキャンペーンなども行っているので、興味がある方は覗いてみてください。
費用はサービス機関によってまちまちですが年間1,000円~あるので、予算に余裕があり、高く早く売りたいなら、自宅の売却前に住宅履歴情報サービスに登録しておくといいです。
住宅履歴を活用してくれる不動産屋を探そう
せっかくの住宅履歴を有効活用するには、対応できる不動産屋を探す必要があります。
残念ながら、住宅履歴の仕組みを知らない不動産屋はたくさんいます。
また知っていても
「面倒だからやりたくない」
「積極的に売主には説明していない」
という不動産屋も多いです。
ぜひ売主の立場になって行動してくれる、誠実な不動産屋をみつけていきましょう。
不動産屋と媒介契約を結ぶ前に「住宅履歴というのを耳にしたのですが、何ですか?」などと、あえて話題を振ってみるのもおすすめです。