「土地や家の値段はどんな風につけられるんだろう?」と疑問に思っている方のために、この記事では「土地」「建物」「マンション」に分けて不動産評価額の調べ方をご紹介します。
土地の評価額
土地の評価基準には次の4つがあります。
- 公示地価:国土交通省が公表
- 基準地価:各都道府県が公表
- 相続税路線価:国税庁が公表
- 固定資産税路線価:各市町村が公表
評価の程度としては、地価を100とした場合、路線価は80程度、固定資産税路線価は70程度の価格がつけられています(→詳細は4つの土地価格の調べ方にて)。
そう!同じ土地なのに、価格は複数存在するのです。
ただ新聞に掲載されているのを見たことがあるかもしれませんが、地価は代表的な地点にしか価格がつけられていません。
そのため不動産取引では「相続税路線価」を参考にするのが一般的です。
土地の評価額 = 相続税路線価 × 面積(㎡)
建物の評価額
建物の評価方法ですが、まず現時点でその建物を新築した場合の価格「再調達価格」を求めます。
国土交通省の「建築着工統計調査」(2021年)によると
- 木造なら約18万円/㎡
- 鉄骨造なら約25万円/㎡
かかり、この価格に延べ床面積をかけると再調達価格になります。
中古住宅の価格を求めるには、築年数が経って減価償却した分を差し引く必要があるので、次のように計算します。
建物価格 = 再調達価格 × [(耐用年数 - 経過年数) ÷ 耐用年数]
※耐用年数は木造の場合22年、重量鉄骨造の場合34年です
たとえば築10年、再調達価格1,700万円の木造住宅であれば、1,700万円×[(22年-10年)÷22年]=927万円が建物評価額となります。
マンションの評価額
マンションは同じ規格の下に量産されているので、近所の類似するマンションの価格をインターネットやチラシで調べれば相場が分かります。
同じマンションでも広さが異なる場合には、1㎡あたりの単価に直して計算すればOKです。
たとえば同じマンションの別の部屋が100㎡で5,000万円だったら、5,000万円÷100=50万円で1㎡あたりの単価が割り出せます。
次に自分の部屋の面積、たとえば80㎡をかけると、50万円×80=4,000万円とおおよその価格が割り出せます。
不動産屋の査定方法:3つの不動産鑑定評価基準
不動産そのものの評価方法を個別にお伝えしてきましたが、不動産屋が行う査定方法はまた少し異なります。
1)収益還元法
収益還元法とは、不動産を貸した時に得られるであろう収益から、その不動産の価格を割り出す方法です。
賃貸用のマンションやアパートなど、主に投資用の住宅を評価する際に使われます。
2)原価法
原価法とは、対象となる不動産をもう一度つくる場合、土地代や建物代などがいくらかかるかを想定して、最終的な価格を割り出す方法です。
建物の部分は築年数によって価値が減少した分や、リフォームや大規模修繕によって価値が上がった分も考慮しながら、不動産全体の価格を割り出す必要があります。
しかし実際には建物の価値はあまり考慮されておらず、木造住宅では「築10年なら新築時の半分」「築20年以上なら0円」のような慣例に従って、大まかに決められているケースが多いです。
3)取引事例比較法
取引事例比較法とは、対象となる不動産と条件が類似する不動産の取引事例を調査して、最終的な価格を決める方法です。
- 地域調査
- 利便性
- 環境
- 物的調査
- 建物の調査
- 土地の調査
- 権利調査
- 所有関係
- 担保関係
- 法令上の制限の調査
- 都市計画法
- 建築基準法
- 取引事例の調査
- 過去の取引事例
- 公的評価
- 現在の取引事例
不動産売却価格は需要と供給のバランスで決まるため、現在の日本の不動産業界では、中古住宅の評価方法として取引事例比較法が一番用いられています。
ただし「去年は近所の同じくらいの土地が1,700万円で売れていたけど、今年は景気がいいから1,880万円くらいかな」と、不動産屋が経験と勘で価格を決める部分もあるので、不動産屋により査定額に差が生じます。
妥当な不動産売却相場の調べ方
家や土地を売るために売却相場を調べたいなら、やはり複数の不動産屋に実際に査定してもらうのが精度が高くおすすめです。
不動産一括査定をすれば、いちいち不動産屋巡りをする必要がなく、一度にまとめて査定額を取り寄せられます。
そして、我が家の場合は不動産屋によって査定額が480万円も違いました。
あなたの不動産はいくらででしたか?