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空き地の売却を検討中の方に朗報!2023年度税制改正で100万円の控除が3年間延長に

空き地売却に税優遇

人口減少や高齢化などで利用されていない土地が増えている問題に対応するため、政府は空き地など「低未利用土地」を売却した場合の税負担を軽くする方針を固めました。

この記事では新しい税制改正の概要をまとめつつ、随時、続報を追記していきます。

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空き地売却に最大100万円の税金の控除

空き地売却に税優遇

新設された「低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」

所有期間が5年を超え、売却額が500万円以下の空き地を対象に、売却による所得の最大100万円分を控除できる制度が新設されました。

この「低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」により、土地を売る際のコストの高さから、売るに売れない不動産の流通を促そうとしています。

なお、低未利用土地等とは、居住用、事業用その他の用途に利用されておらず、またその利用程度が著しく劣っている土地や当該低未利用土地の上に存する権利のことを指します。

低未利用土地を対象とした減税制度はこれが初めてです。

譲渡所得 = 売却額 ー 取得時にかかった費用

土地を売却する際には、「譲渡所得」に対して、所得税と住民税が合計20%かかります長期所有の場合)。

新たな特別控除では、この「譲渡所得を最大で100万円まで控除できるようにしよう」というものです。

特例の適用を受けるための要件は以下の通り。

  1. 売った土地等が、都市計画区域内にある低未利用土地等であること
  2. 売った年の1月1日において、所有期間が5年を超えること
  3. 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと(特別な関係には、生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます)
  4. 売った金額が、低未利用土地等の上にある建物等の対価を含めて500万円以下であること
  5. 売った後に、その低未利用土地等の利用がされること
  6. この特例の適用を受けようとする低未利用土地等と一筆であった土地から前年または前々年に分筆された土地またはその土地の上に存する権利について、前年または前々年にこの特例の適用を受けていないこと
  7. 売った土地等について、収用等の場合の特別控除や事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べなど、他の譲渡所得の課税の特例の適用を受けないこと
国税庁「No.3226 低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」

とっても簡単にまとめると、「5年間以上放置されていて、売却額が500万円以下の空き地」が対象となります。

土地だけでなく、その上に建つ建物も含めて売った場合、土地と建物を合わせた売却額が500万円以下である必要があります。

空き地はどれくらいあるの?

空き地の面積は2008年から2018年にかけて、632㎢から1,364 ㎢へと2倍以上に増加しており、空き地率も6.5%から12.4%へと増加するなど、この10年間で全国の空き地の面積が急増しています(参考:国土交通政策研究所紀要第80号2022年)。

特に人口減に悩む地方を中心に、売却の手間や費用などを理由に、空き地や耕作放棄地、空き家などの問題が深刻化しています。

結局、空き地を売却した場合、いくら税金が優遇されるの?

今回は「売却額が500万円以下」と比較的低い価格の土地が対象なので、「売却額が500万円」「取得費が150万円」の場合で計算してみます。

<現税制>

売却額500万円 ー 取得費150万円 = 譲渡所得350万円

譲渡所得350万円 × 税率20% = 70万円を譲渡所得税として納税

<新税制>

売却額500万円 ー 取得費150万円 = 譲渡所得350万円

譲渡所得350万円 ー 最大100万円控除 = 250万円が課税対象

250万円 × 税率20%= 50万円を譲渡所得税として納税

今回の事例ですと、20万円分も税金の支払いを減らすことができます

低未利用土地100万円特別控除が3年間延長に

2023年度税制改正により、「低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除」は次の2点が改正されました。

  1. 特別控除が3年間延長されました(令和5年1月1日〜令和7年12月31日)
  2. 譲渡価格上限額が500万円→800万円に引き上げられました

低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の100万円特別控除について、次の措置を講じた上、その適用期限を3年延長する。

① 適用対象となる低未利用土地等の譲渡後の利用要件に係る用途から、いわゆるコインパーキングを除外する。

② 次に掲げる区域内にある低未利用土地等を譲渡する場合における低未利用土地等の譲渡対価に係る要件を800万円以下(現行:500万円以下)に引き上げる。

イ 市街化区域又は区域区分に関する都市計画が定められていない都市計画区域(用途地域が定められている区域に限る。)

ロ 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法に規定する所有者不明土地対策計画を作成した市町村の区域

(注)上記の改正は、令和5年1月1日以後に行う低未利用土地等の譲渡について適用する。

(令和4年12月23日 閣議決定)

空き地・空き家がより売りやすくなったので、「あなたの空き地はいくらで売れるのか」今のうちに査定だけでもしてもらっておくのがおすすめです。