住宅ローンの支払いが家計の負担になっている場合、もう「住宅ローンの借り換え」は検討されましたか?

いまや金利が1%異なるだけでも、何百万円もの節約へと繋がっていきます。

住宅ローンの借り換えとは

住宅ローンの借り換えとは、返済中の住宅ローンより金利の低い住宅ローンに乗り換えることです。

その結果、住宅ローンの総返済額を減らせるばかりか、単月の返済額を軽減でき、借り換え効果が高いと新たに借りた住宅ローンの返済期間も縮められます。

借り換えに適した状況は、第2次安倍内閣が発足して以来、アベノミクスの金融緩和策によって依然継続しています。

そして2016年にはついにマイナス金利に突入。

同年7月以降は徐々に上向きになったものの、現在も明確な金利の上方転換は見られません。

すでに低金利のピークは過ぎたと言われていますが、いまだ借り換えの金利差は十分見込める状況が続いています。

住宅ローン借り換えのデメリット

住宅ローンの借り換えにもデメリットは存在します。

ここでは一般的に借り換えのデメリットと言われる項目を挙げてみます。

手数料や諸費用が二重にかかる

借り換えは新規に住宅ローンを申し込むのと同じことなので、ローン諸費用や手数料が新たにかかります。

しかし費用の総額は多くても80万円ほどで納まります。

100万円ほど余裕資金が貯まり、その資金で繰り上げ返済することを考えたら、借り換えのコストパフォーマンスの高さはかなりのものです。

健康状態によっては申し込みできないケースがある

借り換えローンを申し込む際にネックとなるのが、健康状態によっては団体信用生命保険に加入できないこと。

団信加入を必須条件にしている銀行の住宅ローンには申し込めません。

健康状態に問題があっても住宅ローンを申し込めるところは、新機構団信以降も団信加入を任意としているフラット35があります。

ただし民間の扱う保険会社でも保険加入ができないと、全くの無保険状態で住宅ローンを返済しなければなりません。

借り換えを予定しているなら、健康で若いうちに済ませておく必要があります。

属性の変化によっては申し込みできないケースがある

住宅ローンの借り換えは、申込者の属性の変化によっても審査に影響します。

とくに転職等で年収などに著しい変化が生じた場合は要注意です。

例外を除くと、転職は借り換えが済んでから考えてみることをお勧めします。

予想よりも借り換え効果が出ない場合もある

借り換えでいちばん大事なのは金利差です。

金利差がある程度確保できていれば、今ならそれなりの借り換え効果が十分見込めます。

ただし借り換えにはもうひとつ大切な役割があります。

それは金利タイプの見直しです。

変動金利型から固定金利型に借り換える方はかなり限られてきますが、固定期間選択型から全期固定型(フラット35)に借り換える方は、毎年確実に存在しています。

この場合、想定していた借り換え効果が当初はそれほど見込めないかもしれません。

しかし長い目で見た場合、10年後や15年後には借り換えておいて良かったと思える時が訪れる可能性があります。

住宅ローン借り換えのメリット

次は借り換えのメリットを挙げてみます。

繰り上げ返済より総返済額を減らせる

借り換えが成功する3つのポイントとして、

  1. ローンの金利差が1%以上
  2. ローンの残高が1,000万円以上ある
  3. 返済の残存期間が10年以上あること

が指摘されています。

もちろんこの3点にこだわることなく借り換えは自由に行って良いのですが、ローンの金利差が1%以上あれば、繰り上げ返済を実施するより確実に住宅ローンの総返済額額を減らせます。

これが借り換えのメリットです。

効率的に住宅ローンの返済負担を軽減したいと考えているのなら、繰り上げ返済より借り換えを優先すべきです。

同じ金融機関でも借り換え交渉できる

住宅ローンの借り換えは、はじめに利用していた銀行以外で実施するのが決まりのように考えられていました。

しかし銀行間の競争が激しくなり、今では同一銀行で借り換えできるケースが増えています。

同一銀行で借り換えをする場合は、まず他行で借り換え融資の承認を得た上で、従前の銀行に借り換えの意思があることを伝えることです。

同じ銀行で借り換えできれば、諸費用の面でも負担が減ります。

団体信用生命保険の見直しができる

借り換えのメリットのひとつとして、団体信用生命保険の見直しができることも挙げられます。

とくに疾病特約等をそれほど重視していなかった方は、借り換えが見直しの最後のチャンスになるかもしれません。

ただし8大疾病保障などを無理につけるくらいなら、診断から保険金支払が確定しやすいガン特約にとどめるか、高度障害保障が身体障害保障に変わった新機構団信を付けた方が利点は高いでしょう。

意味もなく、疾病特約を増やすことだけは避けたいものです。

金利タイプの見直しもできる

これはデメリットの最後の項目でも触れたことと重なります。

借り換えのメリットは金利差益に支えられて話題にもなっていますが、もうひとつの隠れたメリットとして、金利タイプが再度選び直せることがあります。

金利タイプを見直す重要性については、次章、楽天銀行のフラット35の例を見れば分かりやすいと思います。

住宅ローン借り換えの金利差

では実際に借り換えをした場合、いまの低金利下ならどのぐらいの効果が出るのかを、主要な金融機関5行でかんたんにシミュレーションしてみました。

【シミュレーション条件】

借り換え予定の住宅ローン

  • 金利:2.50%(全期固定金利型)、30年返済
  • 残存返済期間:25年
  • ローン残高:2500万円(借り入れより5年経過)

今回のシミュレーションでは固定期間選択型の10年もの(2017年11月の金利)を流用。

11年目から新たに提供される固定金利を選択せず、基準金利(2.75%)に変わるものとします。

借り換えに伴う手数料(70万円ほど掛かります)は考慮していませんが、「11年目から新たに提供される固定金利を選択せず」としますので、実際の効果はシミュレーションを下回らないと考えられます。

なお楽天銀行のみ全期固定金利のフラット35でシミュレーションしており、2017年11月適用の新機構団信付きの利息で比べています(なおフラット35は21年目から金利が微上昇します)。

 

【主要5銀行住宅ローン借り換えシミュレーション例】

主要銀行 適用金利 基準金利 借り換え効果
(総返済額の差)
じぶん銀行 0.590% 2.57% 4,588,872円
住信SBIネット銀行 0.720% 2.57% 4,281,612円
イオン銀行 0.690% 2.57% 4,352,652円
りそな銀行 0.650% 2.57% 4,447,284円
楽天銀行
(フラット35)
1.300% 1.370%
(21年目以降)
4,344,084円

(2017年11月現在。なお諸費用は考慮していません。)

 

今回は5行とも借り換えランキングでは上位を占める金融機関ということで、金利差はいずれも1%以上あります。

5年から10年前の2.5%程度の金利の住宅ローンを抱えている方は、まだ沢山いるのではないでしょうか。

いまなら400万とまでいかなくても、300万や200万は借り換えによって圧縮できる可能性があります。

また楽天銀行のフラット35の健闘ぶりも素晴らしいものがあります。

全期固定金利でもこれだけ低金利が継続すれば、固定期間選択型とそれほど変わらないか、銀行によってはそれ以上の借り換え効果が得られるのがよく分かります。

住宅ローン借り換えの手数料

住宅ローンの借り換えを検討する場合、避けられないものに借り換えの手数料があります。

ただし借り換えに必要な手数料は、建築業者や不動産屋との間で締結する契約に伴う諸費用を除外した、いわゆる「ローン諸費用」です。

また火災保険は最初の契約時に加入したものをそのまま引き継ぐため、新たにかかりません。

さらに計算に含む必要はありませんが、借り換えたのが当初から数年しか経過していなければ、未経過分を考慮して保証料が戻って来る場合があります。

手数料のポイントは保証料と事務手数料

それではどのうような手数料が必要か項目ごとに挙げてみます。

借り換えに必要な手数料:店舗型銀行パターン

  1. 契約印紙代 20,400円(2万円×1、200円×2)
  2. 融資事務手数料(事務手数料) 32,400円
  3. 保証料 約60万円(借り入れ額によって変わる)
  4. 抵当権設定料(登録免許税+司法書士報酬) 130,000円〜150,000円
  5. 団体生命保険料 0円(団信料は基本的に金利に含まれる)

借り換えにかかる手数料の合計は、70万円から80万円前後です。

これ以外にかかるものは抵当権抹消登記と全額繰上げ返済手数料ですが、金額は数万円以内で納まります。

都市銀・地銀などの店舗型銀行の特徴は保証料が有料だということ。

以前は保証料と言えばこれが普通でしたが、今はこうした一括で払込む保証料を「外枠方式」と言います。

借り換えに必要な手数料:ネット銀行パターン

  1. 契約印紙代 20,400円(2万円×1、200円×2)
  2. 融資事務手数料(事務手数料) 借入額の2.16%(3,000万円借りた場合は64.8万円が事務手数料となる)
  3. 保証料 0円
  4. 抵当権設定料(登録免許税+司法書士報酬) 130,000円〜150,000円
  5. 団体生命保険料 0円(団信料は基本的に金利に含まれる)

ネット銀行の特徴は保証料が0円となる代わりに、事務手数料が借入額の2.16%円となること。

店舗型銀行パターンの保証料とネット銀行パターンの事務手数料がほぼ同額となることから、手数料の総負担額は双方で大きく変わらないことになります。

よくネット銀行だから手数料が安いと思われがちですが、実際にはそんなに差はありません。

ただし事務手数料が安いネット銀行やモーゲージバンクは他にもあります。

例えばソニー銀行の事務手数料は43,200円ですし、フラット35になりますが優良住宅ローンの事務手数料は借入金額の0.66%(最低手数料108,000円)です(2017年11月時点)。

もちろん保証料は0円です。

 

借り換えを成功させるには、やはり「金利差」「金利タイプ」「手数料」の情報を個別に丹念に見て回る必要があります。

住宅ローン借り換えのタイミングと注意点

最後に、住宅ローンの借り換えを実施する場合のタイミング的な注意点を挙げておきます。

借り換え直後のローン残高が借り換え直前の残高以上の場合は?

まずひとつが、借り換え後の残高が、借り換え前の残高を往々にして超えてしまう場合があります。

借り換え後の残高が増える原因は、借り換えの場合、手数料(諸費用)をローン残高に含めて借りられるからです。

このような時は次の計算式を用い、ローン控除の残高を出す際などに使います。

【例】
A:借り換え後の住宅ローンの年末残高=2020万
B:借り換え直前の住宅ローン残高=2000万
C:借り換え直後の住宅ローン残高=2080万

【計算式】
A × B ÷ C
2020万 × 2000万 ÷ 2080万=1942.3万

なおBとCは毎年変わらず、Aだけが年々減っていきます。

確定申告が面倒な方は年末のタイミングでの借り換えは避けるべき

また年末が差し迫っての借り換えは、年末残高に影響を及ぼすため時期をずらした方が無難です。

金融機関から送られてくる住宅ローンの年末残高の証明書は10月には届きます。

それをもとに年末調整が行われるため、11月や12月に借り換えを行うと年末調整をやり直さなければいけません。

これを避けるに、借り換えは9月までに行いたいもの。

仮に10月や11月に借り換えを実施しても年末調整には間に合いますが、12月に行うと勤め先によっては自分で確定申告しなければ間に合わない場合も出てきます。

確定申告が面倒な方は、借り換えのタイミングにも注意したいものです。

借り換え効果はしばらく高い状態が続きそうです。

金利2%台以上の住宅ローンを抱える健康な方は、住宅ローンの借り換えを検討しては如何でしょう。

 


住宅ローンの借り換え比較に便利な無料サービス→