住み替え、相続、転勤など、何らかの理由で持ち家が空いてしまう場合、「持ち家を売るのと貸すの、どっちが得するのかな?」と悩むことは多いのではないでしょうか?
実際、我が家も悩みました。
こればかりは本当にケースバイケースで、貸家にした場合のメリット・デメリット、物件条件、資産状況など総合的な観点から検討する必要があります。
ただ「こういう場合は家を売却した方がいい」という5つの検討ポイントがありますので、その見極め方法をご紹介します。
家を貸す場合のメリットとデメリット
貸家のメリット
不労所得収入として毎月賃料が入ってくる
持ち家を貸家とする場合の一番のメリットは「不労所得収入」です。
毎月決まった家賃が入ってくるとあり、不動産投資は資産家たちにも人気の手法の一つです。
上手く軌道に乗せることができれば、立派な副収入となります。
貸す物件が分譲マンションや土地付き戸建て住宅なら、キッチンなどの設備機器のグレードが高く、一般の賃貸専用につくられた住宅と比べて人気があるので、賃料を高めに設定することも可能です。
住宅ローンの金利や固定資産税などが経費として認められるので節税になる
これまで普通に支払ってきた住宅ローンの金利や固定資産税が「経費として認められる」ようになりますので、所得から控除することができます。
貸家のデメリット
初期投資費用がかかる
貸家にするには内装を綺麗にしないといけないので「初期投資費用」がかかります。
壁紙の張替えやハウスクリーニングだけでも30万円前後の出費となります。
また、これらは最低限の出費であり、入居者が入れ替わればその度にハウスクリーニング代は負担しなければなりません。
ハウスクリーニング費用は最低でも約5万円かかります。
入居者がいない空室リスク
入居者が無事に見つかっても、その人が永遠に住み続けてくれるとは限りません。
もしも入居者がいなくなると、その期間の家賃収入は0円。
それでも税金は払い続けなければなりませんし、人が住まない家は傷みが早いので修繕費もかさんできます。
家賃の滞納・夜逃げ
入居者が毎月きちんと家賃を支払ってくれる保証はどこにもありません。
もちろん払ってくれる人が大多数ではありますが、最悪の場合、数ヶ月家賃を滞納したあげく夜逃げなんて可能性もゼロではありません。
住人トラブル対応
見知らぬ人に家を貸すとなると、様々なリスクを背負うことになります。
もしも入居者が常識のない人だった場合、 「部屋を綺麗に使ってくれない」「近隣からクレームが入る」などのトラブル悩まされることになります。
また場合によっては「夜中にトイレの水が詰まったから修理を呼んで欲しい」「エアコンが壊れたので買いかえて欲しい」など思わぬ出費に悩まされることもあります。
こうしたトラブルを自力で対応するのはかなり難しいですし、精神的ストレスにもなります。
もちろん不動産会社に管理をお願いすることもできますが、そうした場合は毎月の管理費(賃料の3~5%/月)が取られてしまいます。
家を「売る」「貸す」で悩んだ場合の5つの検討ポイント
上記のように、家を貸す場合にはデメリットが沢山あります。
そのため「とりあえず貸してみて、駄目だったら売ればいいや」という安易な気持ちの場合は、迷わず「売却」することをおすすめします。
一方、デメリットも考慮した上で、事前にきちんとプランを立てて貸し始めれば黒字化することも可能です。
貸した場合のメリット・デメリットと合わせて、次の5つの検討ポイントもぜひチェックしてみてください。
当てはまるものが多ければ、売却が向いていると言えます。
1)住宅ローンが残っている
月10万円の家賃収入があっても、年間でやっと120万円。
10年間かけてようやく1,200万円のローン返済ができます。
しかも、これは10年間ずっと入居者が絶えなかった場合の話で、実際は入居者がずっと住み続けてくれる保証はありません。
住宅ローンの残債がある場合は、家を売却して残債をなくす方が長い目で見たときにリスクは少ないです。
2)今後その家に住む予定がない
将来的に自分がその家に住む予定があるのであれば、それまで貸家にするのはアリです。
しかし、今後住む予定が全くない場合は売ってしまった方が得です。
なぜなら人が住めば住むほど家の価値はどんどん下がりますし、入居者がいない時期があれば税金が重荷にもなります。
価値が下がる前に売却を検討した方が良いです。
3)修繕費を払い続ける余裕がない
経年劣化による家の修繕費は、家の持ち主が負担しなければなりません。
その資金的余裕がないのであれば、貸家にはせず売却してしまった方が負担がありません。
4)今後その土地価格の上昇が見込めない
駅近だったり、ネームバリューのある人気の地域で、今後も価格は下がらないであろう土地にある家、あるいは駅や商業施設が確実に建設予定で今後値上がりするであろう土地にある家は、持ち続けても良いでしょう。
しかし、そういう好立地にある家でない場合は毎年の固定資産税もばかにならないので、売却を検討した方が良いです。
5)不動産屋への管理費の支払いに抵抗がある
入居者探しや毎月の入金管理など、家の管理を不動産屋にお願いすると管理費を支払う必要があります。
自分で管理できるのであればもちろん不要な出費ですが、自分だけで行うのは手間なので不動産屋に依頼する場合がほとんどです。
管理費はだいたい月1~2万円前後なので、年間12万円~24万円の管理費を永遠と支払っていくことに抵抗がある場合は、家を売却した方が得策です。
売るか貸すか迷った場合は、まず相場を比較しよう
家を売るか貸すか悩んだ場合、結論は冒頭でもお伝えしたようにケースバイケースなのですが、一番良いのは「売却した場合の相場」と「貸家にした場合の相場」を実際に調べて比較することです。
そして「貸家にした場合のリスクを背負ってでも金銭的に回収できるのか」を計算するのが手っ取り早いです。
売る場合の相場の調べ方
まず「売却した場合の相場」を調べるには、我が家も活用した「HOME4U不動産一括査定」が便利です。
無料の不動産売却査定サービスで、一度に査定額をまとめて取り寄せられるので、簡単に我が家の売却相場を知ることができました。
なおHOME4Uでは築年数が古くても、リフォーム・外壁塗装・周辺施設など加点できる部分を見つけ出し、可能な限り高値で売れるサポートをしてくれるので、リフォームや外壁塗装など家のメンテナンスをしてきたのなら、相場よりも査定額が高くなる可能性があります。
貸す場合の相場の調べ方
マンションを貸す場合の相場の調べ方
次に「貸家にした場合の相場」の調べ方ですが、マンションであれば「マンションnavi」という便利なサービスがあります。
業界では有名な人気サイトで、マンションの「売却」「買取」「賃貸」3つの査定をまとめて行えるので大変便利です。
一戸建てを貸す場合の相場の調べ方
一戸建ての賃料相場を調べる便利なサイトは今のところありません。
それでも我が家は「HOME4U」で訪問査定を依頼していたので、
もし家を貸し出した場合、我が家なら賃料はいくら取れそうですか?
と不動産屋さんに直接質問しました。
こうして「売却した場合の相場」と「貸家にした場合の相場」が揃ったので、初期投資費用を回収できるか計算。
我が家の場合は3年間一度も入居者が途絶えることなく賃料が入ってくると仮定して、ようやく初期投資費用が回収できる計算だったのと、将来的に土地の値下がりは予想できても値上がりする可能性はほぼ0だったので、売却することにしました。
「家を売るか貸すか」お悩みなら、それぞれのメリット・デメリットを確認しつつ、あなたも実際に上記の方法で「売却した場合の相場」と「貸家にした場合の相場」を調べて比較してみてください。