家が売れない期間が長くなると、不動産屋から「値下げしましょう」という提案がされやすくなります。
「本当は高く売りたいけれど、売れ残るぐらいなら…」と渋々値下げに応じることもあるかもしれません。
そこで、同じ値下げをするなら、ただ闇雲に安くするのではなく、売れやすい家にするための値下げ方法をお伝えします。
買主が家探しする際の行動を考えてみよう
値下げ額を決める際は、ただ闇雲に安くすれば良いというものではありません。
「買主がどのように家探しをするのか」考えてみることが大切です。
あなた自身が家を購入する側の気持ちになって想像してみてください。
買主が一番最初にとる行動は何でしょうか?
それは不動産ポータルサイトで「どんな家があるかな?」と希望地域を選択しながら下調べをすることです。
あるいは不動産屋を訪問して情報収集する方もいるでしょう。
この下調べの時の必須要素として「予算」があります。
不動産ポータルサイトの場合は、検索条件に価格(下限~上限)を入力します。
不動産屋で相談する場合も「予算いくらぐらいでお探しですか?」と必ず聞かれ、検索機能を使って物件の絞り込みが行われます。
この検索機能の価格帯というのは、一般的には「500万円単位」となっています。
そのため検索機能の500万円の区切りを上手く活用して、不動産ポータルサイトあるいは不動産屋のデータベースの検索結果にあなたの家が表示されることが重要となります。
あと3万円値下げすれば、新たな購買層にアプローチ可能!
分かりやすいよう、例を出していきます。
例えば、現在3,100万円で家を売りに出しているのに、3カ月の間、内見希望者すら現れない。
そこで渋々ながら100万円の値下げをして、3,000万円で売りに出したとします。
それから2ヶ月、つまり売りに出して5ヶ月目にようやく1組内見希望者が現れたけれど、結局成約には至らず。
売却できない期間が長くなり、焦りとストレスだけが募る。
この事例でのポイントは、100万円値下げした前も後も検索者は「3,000万円以上~3,500万円未満で検索している人」のままで同じという点です。
そして3,100万円で売りに出していた時に3カ月間内見希望者すら現れなかったということは、その物件は「3,000万円以上~3,500万円未満で検索している人」には魅力的ではなかった可能性が高いということです。
では、どうしたら値下げ効果を最大限に生かして「売れやすい家」にすることができるのか。
この事例の場合は、あと3万円だけ値下げして、2,997万円で売りに出すのがポイントになります。
そうすることで、同じ値下げでも今度は「2,500万円以上~3,000万円未満で検索している人」の検索結果に表示されるので、新しい層にアプローチができるのです。
もちろん「少しでも高く売りたい」という気持ちはよく分かりますので、徐々に徐々に値下げをしていくという方法も間違いではありません。
ただ時間をお金で買うという考え方も一つです。
売却できない時期が長くなるとストレスが溜まりますし、転勤などによりタイムリミットがある方もいるでしょう。
そんな時には同じ値下げでも、この「500万円単位」に着目した値下げ方法を1つの手段として使ってみてください。