家や土地を相続したものの住む予定がなく、管理も難しい状況であれば、売却して換金し、別の運用方法を考える方が懸命です。
ただ不動産の売却には税金がかかります。
この記事では「相続した家や土地を売ったらどのくらい税金がかかるのか」ご紹介します。
相続不動産の売却にかかる税金
相続した不動産の売却にかかる税金は
- 譲渡所得税:売却差益にかかる税金
- 住民税:売却差益にかかる税金
- 印紙税:売買契約にかかる税金
- 登録免許税:登記にかかる税金
- 消費税:仲介手数料にかかる税金
があります。
各税目の詳細は「家や土地を売る時の税金まとめ」で紹介していますが、相続不動産で着目すべきは「譲渡所得税」です。
譲渡所得税とは

譲渡所得税とは、購入額より売却額の方が高かった場合に、その「儲け」に対してかかる税金です。
原則として、給与所得や事業所得とは分離して課税されます。
譲渡所得税 = 譲渡所得 × 税率
課税対象となる譲渡所得の計算方法は次のように算出します。
譲渡所得 = 譲渡収入額 - (取得費 + 譲渡費用) - 特別控除
各項目を簡単に説明すると
- 譲渡収入額:売却価格
- 取得費:家を購入した時の費用(土地や建物の購入代金など)
- 譲渡費用:家を売却した時の費用(仲介手数料や測量代など)
- 特別控除:3,000万円まで控除されるマイホームを売った時の特例など
この計算式に従い譲渡所得がなければ、課税対象となる収益がありませんので「免税」になります。
保有期間によって税率が変わってくる

譲渡所得税の税率
譲渡所得税の「税率」は「所有期間」により変わります。
- 所有期間が5年を超えているなら「長期譲渡取得」となり、税率は20.315%
- 所有期間が5年以下なら「短期譲渡取得」となり、税率は39.63%
課税譲渡所得が1,000万円だった場合
・長期なら税額は2,031,500円
・短期なら税額は3,963,000円
その税金の差は1,931,500円にもなります。
相続した不動産を売却する場合、被相続人(親)がその不動産を所有していた期間と取得費を、相続人(子)が引き継ぎます。
そのため所有期間とは、相続や贈与により取得した不動産であっても、原則として被相続人や贈与者が取得した日から計算します。
ただし所有期間に関して1つ注意点があります。
不動産の場合 、短期か長期かの判定は譲渡・売却が行われた年の1月1日が基準となります。
つまり「カレンダー上の所有期間」と「税務上の所有期間」は異なるということです。
所有期間が5年前後の場合、譲渡所得税だけに焦点を当てるなら、短期に該当するのか長期に該当するのか、売却するタイミングを見極めた方が節税に繋がりやすいです。
住民税の税率
譲渡所得が発生した場合には譲渡所得税の他に住民税も課せられますが、住民税の税率も長期譲渡取得の方が優遇されています。
不動産を売却する場合、その不動産を所有する期間が長いほど税率が低くなります。
相続の場合は取得費も節税の大きなポイント

繰り返しになりますが、相続人(子)は被相続人(親)の「所有期間」と「取得費」を引き継ぎます。
そして「取得費」が大きければ大きいほど、課税対象となる譲渡所得は少なくなり節税へと繋がります。
ただ先祖代々受け継いできた家や土地を売却した場合、この取得費がネックとなって驚愕の税金を言い渡される悲惨な事例もあります。
【事例1】
相続したマンションは父親が数年前に7,000万円で買ったもので、当時の領収書などは保存されていた。このマンションを5,000万円で売った場合、2,000万円ほど損していることになるので、譲渡所得税も住民税もゼロ円です。
【事例2】
相続した土地付き一戸建ては何十年も前に先祖代々の土地に父が建てたもので、当時の資料は一切残されていなかった。
この土地付き一戸建てを5,000万円で売った場合、取得費が分からないので、5,000万円ほど儲けたことになり、譲渡所得税も住民税もドンと課せられます。
後半で紹介する「3,000万円の特別控除」が適用されたとしても、2,000万円が課税対象として残ります。
取得費が不明な場合は「売却金額の5%を取得費とする概算法」で計算することができますが、
それでも取得費が明確に分かっているか否かで税額が大きく変わり、先祖代々受け継いできているものほど取得費が判明しにくなるので注意が必要です。
長期譲渡取得には特別控除もある
土地の転売を防ぐため、長期譲渡取得には「税率」だけでなく「特別控除」もあり、特に有利となっています。
軽減税率の特例
10年を超えて持っていたマイホームを売った場合には、長期譲渡所得の税率が10%(譲渡所得6,000万円以下の場合)になる
相続した空き家を売却するための特別控除
日本全国、特に地方では、手続き上相続はされているものの誰も管理していない家や土地が年々増えています。
そんな増加する空き家問題の対策として、新しい控除も創設されました。
今のところ平成31年12月31日までの期間限定ではありますが「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。
この特例により、相続した空き家や更地の売却の場合も、一定の要件を満たせば「居住用財産の譲渡所得の3,000万円特別控除」を使うことができるようになりました。
節税のためには税金に強い不動産屋に相談しよう

相続時の課税の有無は遺産の分割方法や売却不動産の選択などに関係してくるので、しっかり精査してください。
「自分で調べるのは大変だし難しそう」という場合には、もちろん不動産屋に相談するのもいいですね。
ただし税金に強い不動産屋とそうでない不動産屋がいます。

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我が家も利用したHOME4Uは、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイトです。
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譲渡所得税や住民税も譲渡益が発生しなければ課税されないので、まずは相続不動産の価値を知ることから始まります。
「査定額」と「相続不動産の税金に強い不動産屋」を効率良く調べられるのでおすすめです。